住宅基礎Geo Technology

地盤補強ってなんだ?

地盤補強工法は盛りだくさん

地盤補強工法

地盤調査の結果、弱い地盤とわかると地盤補強をすることになります。

地盤補強にも色々な工法があります。

  • ①表層地盤改良
  • ②柱状地盤改良
  • ③小口径鋼管
  • ④既成コンクリートパイル

他にも沢山の素晴らしい工法が開発されていますが、ここでは、上記4つの一般的な工法を学んでいきましょう。

①表層地盤改良

この工法は名前の通り、表層つまり地盤の表面深さ2.0mまでの弱い層を地盤改良する工法になります。

表層地盤改良

表層の土にセメント系の固化材を混ぜ、土を固める工法になります。
つまり、やわらかい土にセメントを混ぜて固めちゃおう・・・ってことですね。
なので、建物の下に強い地盤を作ることができるんですね。

この工法は比較的安価な工法なんですが、その分、深さ2.0mまでの弱い地盤でしか地盤改良をすることができないので、使えるところがとても限られています。

表層地盤改良 表層地盤改良 表層地盤改良

また、地盤の土質にも注意が必要であり、植物が腐った土のようで土でない腐食土や高有機質土の場合だと改良材を入れても固まらない場合があるので、前もって、土を取り、固まるかどうかの試験をしていきましょう。

表層地盤改良

さらに、土が酸性を示している場合も要注意!!
この場合も、前もって、土を取り、固まるかどうかの試験を行いましょう!

地下水に流れがある場合と地盤内に空洞が存在する場合は、表層地盤改良をすることができないので、これも要チェック!

②柱状地盤改良

この工法は、表層地盤改良のように土を固めて、地盤内に柱をつくる工法です。
機械を使って、地盤内に穴を掘っていくわけですが、穴を掘ると一緒に、セメント系固化材と水を混ぜたセメントスラリーと呼ばれる液体を流し込んでいきます。

柱状地盤改良 柱状地盤改良

ここも重要ですね!”液体”を流し込んでいきます!

そうすることで、このセメントスラリーと土が混ざりあい、土が固まるんですが、それを繰り返すことで、最大で8.0mまでの柱を地盤内につくることができます。

しかし、この工法にも表層地盤改良と同じように欠点があり、腐植土・高有機質土・酸性が高い土の場合、固まらない可能性があるので、前もって、土を取り、固まるかどうかの試験を行いましょう!

また、先ほどと同じように地下水の流れ・地盤内に空洞がある場合はすることができないが、更に、地盤の傾斜が急な場合もすることができなくなります。
これは、あまりに急だと土を固めた柱が一部しか強い地盤に乗ってこない可能性があるからですね。

③小口径鋼管

この工法は、先ほどまでとはちょっと違って、直径20cm程度の鋼管を地盤にいれていく工法です。

一番大きな違いは既にできている鋼管を使うので、固まらないなどの心配がないことですね。

やり方もいたってシンプル。
鋼管を工場から持ってきて、地盤の中に入れていく・・・それだけです。簡単ですね!!

長さに関しても、柱状地盤改良よりも長くすることができますし、使用できない地盤もほとんどないんですが

柱状地盤改良 柱状地盤改良

なんといっても高い・・・値段が高い・・・
地盤が大事となんども言っていますが、それでも値段は抑えたいもの。

素晴らしい工法ですが、他の工法との値段を比べることが大事かな・・・と思いますね。

④既成コンクリートパイル

先程からチラリチラリと紹介しているHパイル(H型PCパイル)も、この既成コンクリートパイルです。

柱状地盤改良

小口径鋼管と同じように、既に工場で作ったH型のコンクリートの杭を重機を使って地盤の中に押し込んでいく工法になります。

これも、出来ているものを使用するので、使用できない地盤はほとんどなく、深さ17.5mまで対応できます。

既成コンクリートパイル

しかしながら、値段においては、小口径鋼管よりも非常に安く、柱状改良と同じ程度、この面においてもとても使いやすいのかな・・・と思いますね。

以上、大きく分けて4つの工法を学びましたが、どの工法も良いところがあれば、悪いところもあります。

既成コンクリートパイル

重要なのは、地盤をしっかりと理解し、その地盤に一番適した地盤補強をすることですね。